幾千年の時を越え地に降り注ぐ光あり。誰が言った言葉だろうか。夜空を見上げると思い出される不思議な出来ことがある。それは・・・
掌の中に、ほのかな光がある。海岸で拾ったものだ。淡い緑色と黄色の光を放っている。温もりは無いが何か生きているようだ。よくよく見ると、それは石ころようでもあり何かの卵のようでもある。しばらく手のひらでもて遊んでいた。そして大切に布に包み制服のポケットにいれた。 翌日、僕はそれを同じクラスの仲井君に見せた。 「スゲー、何これ」 「・・・わからない」 「人間に寄生する宇宙生物とか」 僕はそういわれるとそれをポケットにしまいこんだ。 「気をつけろよ。ある日突然殻が裂けて中から得体の知らないものがウジャウジャ出てきてきて、襲いかけたりしたらどうするんだ」 「そんなふうにはならない気がするんだよ。感じるんだこいつから」 「そうか。で、どうするんだそれ」 「しばらく持っているよ」 家に持ち帰り僕は自分の部屋の机の上にそっとポケットから取り出した。 「お前はいったい何なんだ」 その物体は、ただぼんやりと緑色の光を放っているだけで何も言わなかった。 |